ロビン日記

古本屋ロビンの日々を綴っています。

メールでの買取依頼について

 先日、知り合いの古書店さんを訪れた時のこと。その人は、1通のメールに頭を悩ませていたんだわ。何でも蔵書を手放したいので買い取ってほしいとの依頼が入ってるのだそう。

 

 古書店にとって仕入れは命だからね、普通ならこういう依頼は大歓迎のはず。だけど、悩むには理由があって、ビッシリと蔵書のタイトルを書きだして目録が作成されていたんだよ。

 

 私にもそんな経験はある。本のタイトルが分かった方が査定しやすいだろうという配慮なのかもしれないけど、正直、こういう依頼は古書店側からすれば、けっこう悩んでしまうね。

 

 というのも、

 

 蔵書への思い入れが伝わって、圧が強い!

 

 ように感じられるんだわ (^-^; おら、これだけ準備したんだぞ! しっかり査定しろよ! ってなプレッシャーを感じる。。。

 

 我々からすれば見慣れた本でも、売却するお客さんにとっては、長年にわたって収集した貴重なコレクションだったりするし、そういう思い入れのある本は、市場価格と本人評価額にかなりの開きがあったりすることも多い。

 

 けど、こちらも商売。いくら持ち主の思い入れがあろうが、利益の出ない金額で買い取るわけにはいかないので、かなり厳しい現実を突きつけてしまう場合もあったりする。辛いんだわ、これが。

 

 また、こういうふうに目録を作成してくるお客さんは、他のお店にも目録を送り付けて、相見積もりを取ろうとしている場合もある。別のライバル業者の影を感じたりしたら、譲ってもらうにはちょっと色をつけなきゃいけないかな~って考えたりする。

 

 けど、冷静に考えれば、重い本をしんどい思いをしながら運んで、高値で買い取るよりも、その別の業者に買取りに行かせて、市に出品されたところを入札してゲットした方が効率はいい。市にも出ないような貴重な本なら、何が何でも買い取りたいってパターンもあるかもしれないけど、まぁたいていはそこまでの本ではなかったりする。

 

 それに、本のタイトルだけ書きだされて、いくらですか? って聞かれても、なかなか回答に困るってお店も多いと思うんだよ。コンディションによっても買取額は変わったりするし、実際に実物を見ないことには査定できないってことがほとんどじゃないかな?

 

 古書店に買取りを依頼する場合、全蔵書の目録の作成は不要。我々もプロなんで、現場でその本を見たら、キッチリと査定できますよ。ただ、参考までに事前に情報を伝えたいというのなら、おおまかな本のジャンルとか、本の量を書くぐらいで十分だと思う。

 

 もう少し丁寧に書きたいなら、書き込みや線引きの有無だったり、本の年代、これはと思う本のタイトルを数点。そのくらいでいいと思うよ。キッチリ目録を作成したからといって、査定が不利になることはないけど、逆に査定金額がアップっていうのも多少はあるかもしれないけど、そこまで劇的な変化はない。だからそこまで苦労しなくていいと思うんだわ。

 

 買取依頼の際は、なるべく手間をかけずにお気軽に! 当店では、そういうコンセプトでやってますので、どうぞご理解を。。。