ロビン日記

古本屋ロビンの日々を綴っています。

値札を見ながら考える

 市で本を仕入れると、値札がついていることがある。自店で売れ残った本を市に出品する場合、たいていの人は値札をはがして出品するけど、中にはズボラして値札をはがさずに出品する人もいる。そういう人の出品を買ったら、値札がついていることがあるね。

 

 あるいは、そういう人の出品を別の誰かが買ったけど、自分に必要な本だけ抜き取って残りはさっさと市に出品したって場合もあるかも知れない。

 

 値札が貼られていると、そのままでは売り物にならないし面倒なんだけど、時には面白い発見があったりする。

 

 すでに組合をやめた人や、亡くなった人の値札がついてたりするんだよ。まるで幽霊の仕業みたいだけど、その人は去っても、その人が残した本はグルグルと誰かの手を巡り回っているってことで何となく感慨深かったりする。

 

 他府県のお店の値札が付いてることもあるね。わざわざ大阪まで持ち込んで出品したって場合もあるだろうし、大阪の組合員がヨソの地域で即売会に参加した際に、本が会場で混ざって気づかずに持ち帰って、そのまま出品したって場合もあるだろうね。

 

 一番興味深いのは値段。その人が、この本にいくらの値段をつけたのかってことを知ることができる。

 

 アホちゃうか?

 

 ってほどバカ高い値段をつけていることもあるけど、昔は今より古書価が高かったから、あながちその金額が不当ってことも言えない。けど、今の相場で見るとやっぱり笑っちゃうような値付けになっていたりする。

 

 ……こうやって影で笑われるのが恥ずかしいから、私は市に戻す本はしっかり値札をはがすようにしているんだよ (^-^;