ロビン日記

古本屋ロビンの日々を綴っています。

IPO銘柄を考える

 以前、別のブログで書いたことなんだけど、今改めてIPO銘柄について考えてみたいんだわ。

 

 みずほ証券が、公正取引委員会から「注意」を受けたって報道がされているよね。公取の言い分としては、IPOで公開価格を設定する際に、不当に安値で設定したってことらしい。上場後の初値が公開価格の倍以上になったって点も重視してるみたいで、企業がより多くの資金調達ができた可能性があったのに、それを阻害したってことみたいだね。

 

 公取は具体的な企業名を公表していないので、どの案件で、いくらの公開価格設定だったのか、そしてその後の初値がいくらで、さらに1年以上たった今の株価がいくらなのか、このあたりの詳細は分からなかった。情報収集能力に長けた人は、どこかで「特定」して企業名を公表しているのかもしれないけど、私には分からなかったね。

 

 けどね、ず~っと前から思ってることなんだけど、IPO銘柄ってマトモな値動きをしてるとは思えないんだわ。短期で売り抜けることを考える「投機」目的の人間が集まってる。だから、公開価格より大きく値上がりすることもあるけど、その後の値動きを見ていたら、大きく上がった後、大きく下がってることも多いんだよね?

 

 ってことは、公開価格と初値を比較して、高いの安いのって言ってもあんまり意味ないんじゃね? とは思う。比較するなら、上場後半年~1年ほど経って比較的値動きが落ち着いた段階での株価と公開価格。これを比較しなきゃダメなんじゃね? って思うんだが。。。

 

 ちなみに、2021年のIPO銘柄をいくつか紹介してみる。

テスHD

 Yahoo!ファイナンスより

 テスホールディングス。公募価格は1,700円。初値は2,010円。けど、今の株価はそのどちらからも大きく下回ってるよね。

 

 もう一つ。紀文食品

紀文食品

  Yahoo!ファイナンスより

 公募価格1,160円、初値1,271円。これも下回ってる。

 

 もちろん、公募価格や初値を超え上がり続ける銘柄もあるだろうけど、基本的に初値ってのは、その後の株価推移を見ているとマトモな値段じゃない。日本人は初モノが好きって民族性もあると思うんだわ。そういう国民性を無視して、やれアメリカのIPOと比べて公開価格が安いのどうのって言ってもあんまり意味ないと思うけどね~。

 

 初値が高くなるのは、旬を追っかけるのが好きな国民性によるものと、投機目的の個人投資家の金が集まってるからで、不当に企業の資金調達を妨げたことにはならないと思うよ。公開価格を上げたら上げたで、それでもやっぱりブームを追っかけるのが好きな人たちは一定数いるのだから、どうせ初値はさらに高い価格をつけることになる。不用意にIPOバブルを招くだけで、決して健全な市場形成にはつながらないと思うんだけどね。