ロビン日記

古本屋ロビンの日々を綴っています。

そういえば……

 今朝の新聞に載っていたんだけど、NISA制度の改正について政府が方針を固めたみたいだね。かねてより話題になっていたNISAの恒久化も決まったみたい。いいことだね。これで今まで以上に「貯蓄から投資へ」の流れが後押しされることは間違いない。

 

 現行のつみたてNISAと一般NISAは併用できないけど、新制度ではこれも認められるとのこと。年間の投資上限枠も今より増えて、この点も評価できる。

 

 今の制度より、より使いやすく、かつ効果的な投資環境に結び付くって点で、今回の政府方針は評価に値するものだと思うんだけど、ただ残念な部分もあるんだわ。

 

 一番残念なのは、生涯の投資枠が1,800万円とされたこと。現行の一般NISA(5年で最大600万円)、つみたてNISA(20年で最大800万円)と比較すれば、大幅に非課税枠が増えるんだけど、それでも長期投資って観点からは枠が小さすぎると思う。

 

 そもそも、ここ数年の投資ブームは話題になった「老後2000万円問題」が一つのキッカケになってるのは間違いない。そこに来てコロナ禍の財政出動で、これまで投資未経験だった人が投資に手を出すことになったってだけのこと。景気も良く、老後に何の不安もなければリスクを負ってまで投資に手を出す人ばかりじゃなかったはずなんだよ。

 

 ってことは、経験の浅い個人投資家の大半は、

 

 老後に備えて、投資で準備しよう

 

 そう考えてるんじゃないかな? だったら、少なくとも老後に足らなくなると話題になった2,000万円くらいは非課税枠があってもいいと思うんだよ。昨日、第一報をネットニュースで知ったときは1,500万って報道されていたから、そこから比べたら300万も枠は増えたけど、でもやっぱり2,000万って数字は意識したいよね。

 

 もっとも、老後2,000万円って数字が独り歩きした感はあって、実際にはそこまで不要だろって意見もあるし、逆にそれじゃ足りないって意見もある。何十年も先のことなので収支バランスを正確に予測するのは難しいけれど、とりあえずいったんは金融庁の審議会で具体的に挙げられた数字なんだから、政府としてもこの数字は強く意識してもらいたい。

 

 それともう一つの懸念事項がある。

 

 増税

 

 だね。非課税枠を増やす一方、防衛費の増額に対応するための増税が話題になっている。

 

 個人的には、防衛費の増額には賛成。そして、その財源として国債に頼るのではなく、恒久的な税制度によるべきという首相の見解にも理解は示したい。

 

 けれど、もともと防衛費の増額が議論されるようになったのはウクライナ情勢に端を発する部分が大きい。ただ、無法者のロシアがかなり戦況で不利に立たされ、おそらく核の使用ってのもそこまで現実味があるとは思えない。だったら、

 

 未来永劫、防衛費増やし続ける必要ある?

 

 ってのも忘れちゃいけない視点だと思うんだよ。

 

 もちろん、ロシアの脅威がなくなっても、北朝鮮、中国といった国々もある。必ずしも日本の安全保障環境は完璧ってわけじゃないから、備えは必要だ。だけど、それって国際情勢を見ながら最低限必要な軍備を備えるって方法がベストなんじゃないかと思うんだよ。いかに軍事費を投じたところで、万全の状況で国土を防衛するってのは不可能なんだから、ある程度の経済合理性は検討すべきだと思うんだよね。

 

 そう考えると、将来の増税ってのは否定しないけど、当面は国債で対応するってのも悪くない選択だと思うんだけどね。

 

 それに、増税の財源ってのが問題。たばこ税やら、防衛目的の新税やら取沙汰されてるけど、法人税アップってのも話が出てきてるね。いつから、どの程度、ってのはまだ正式に決まってないみたいだけど、法人税負担増ってのは、少なくとも株価にはマイナス影響だわな。資産所得倍増を謳っておきながら、株価を押し下げる政策を発表するんだったら、いったい何やってるんだか。

 

 まぁそんなこんなでNISA制度の改革。個人的には期待してるんだけど、政府のやってることはどうもチグハグな気がするね。